手持ちのガラクタでなんちゃってChromebookを作った話(発動篇)
前回書いた通り、CloudreadyやChromeos flexをガラクタPCに入れてなんちゃってChromebookを作っても、Andoroidアプリは使えないので学校で配布されているChromebookとなんら変わるものにはならない、と説明しました。
ただ、この両者は「Linuxアプリも使えるよ」とも言ってます。言葉通りなら、Linuxのお絵描きソフトやら動画編集ソフトやらを突っ込んで、貧乏人のコンテンツ制作マシーンとしてなんとか使えそうです。
ただ、このLinux機能、古いパソコンではまともに動くことの方が珍しい状態になっています。特にChromeOS flexの場合、Windows11が動作するようなパソコンでないとLinuxアプリは動かないとのことでした。だったら素直にWindows11パソコン買った方がいいかなと。こちとら買う金がないからガラクタ使ってなんとかしようとしてるんだから。
このCloudreadyやChromeOS flexの場合、結構珍しい形でインストールメディアを作成することになります。
Chromeブラウザ(Chromeが動けばOSはなんでもいいそうです)に、「Chromebookリカバリユーティリティ」という拡張機能を追加し、ブラウザの右上にあるアイコンから呼び出すと、メディアを作ることができるようになるのです。
「Chromebookリカバリユーティリティ」は本来、市販のChromebookのOSが壊れてしまった際、ゼロからOSを再インストールするためのメディアを作るツールです。なので、起動すると「あんたのChromebookのモデル名を教えなさい」という画面が表示されちゃいます。
「リストからモデルを選べ」とか言われますが、こちらはChromebookと呼ばれるパソコンを買って持ってるわけじゃなく、手持ちのガラクタをなんちゃってChromebookにしたいわけです。リストから10年以上前のWindows用のガラクタを探そうとしても見つかりっこありません。
ですがここで「Oh!ブッダ、あなたは寝ているのですか!」と嘆く必要はありません。右上の歯車マークをクリックすると、「ローカルイメージを使用」というのが見つかります。つまり、CloudreadyやChromeOS flexのディスクイメージファイルをあらかじめ用意してあれば、これを使ってインストール用のUSBメモリを作れますよ、ということです。めんどくさいですね。
起動用のUSBメモリ作っちゃえば、後はそれをガラクタのUSBポートに突っ込み、そこから起動させて指示に従うだけです。ただ以上の点は気をつけておいた方がよいかと。
1.Chromebookはなんちゃってといえどもネットワーク接続が必須なのですが、ガラクタノートパソコンの場合、結構な確率で無線LANアダプタが認識されない
2.無線LANアダプタが認識されないような古いノートパソコン(特に事務用モデル)には有線LANアダプタがあり、これは使うことができるけど認識されるまで結構時間がかかるので、気が短い人はここで「Oh!ブッダ」となってしまう可能性がある
とまあそこそこ苦労してインストールを行い、起動してみます。WindowsパソコンとかでChromeブラウザを常用し、ユーザー登録をしてある場合、ログオンすればそっちの設定を全部引き継ぐことができます。ブラウザだけしか使わない、つまりニュース見てYoutube見てついでにいけない動画サイト見る、ぐらいの人の場合、動作が軽くなった恩恵だけを受けることができるので感動できるでしょう。
ワード・エクセルを使ってなんか事務仕事してた、という人の場合、本家Chromebookでも端末にインストールして使えるワード・エクセルが存在しないので、ちょっと途方に暮れるかもしれません。でもGoogleドキュメントとかスプレッドシートとかの代替はあるので、手持ちのワード・エクセルファイルを開いて編集することはできます。「使い方よくわがんねぇ!」という人はオンラインで提供されているワード・エクセルを使えばいいでしょう。
しかし、デジタルコンテンツを作るというのは結構な無理ゲーになってしまうのです。
一応探すとWebアプリとして、Openshotをはじめとする数種類のソフトが提供されています。ですがブラウザそのものを動かすのに四苦八苦しているガラクタPCの場合、実用的な速度でブラウザ上のアプリを動作させる、というのが難しいのです。本家Chromebook(学校で配布されてるのとは違うやつ)だと、Androidアプリが使えるのでそこらへん回避できるのですが、なんちゃってバージョンでは無理です。先に書いたように、ガラクタではLinuxも動いてくれないので、Linuxアプリでなんとかするという手も使えません。
それでも、いくつかWebアプリが存在する動画編集はまだマシな方です。お絵描きソフトの方は、使えそうなものがほぼありません。
ここで言う「使える」の基準は、「レイヤー機能が使えること」と、「曲線描画機能が使えること」の2点の有無です。なんでこれが重要なのかは、また別の機会にお話することがあるかと。
まあそんなわけで、なんちゃってChromebookは、ブラウザだけ使うユーザーには結構いいものなんですが、コンテンツ製作をしたい貧乏人の助けにはならないよ、というお話でした。