OSを選んでいこう(実践編その2)

Debian(だいたいここから始まった)

前回RaspbianOSがDebianの派生だということを説明しました。なのでここではDebian本体を試してみましょう。

Debianは他のディストリビューションと比べると開発に携わっている人が非常に多く、そのためさまざまなバリエーションが存在します。

デスクトップ環境にしても、現在メジャーなものにはほとんど対応していますし、デスクトップ環境がない(つまりキーボードから打ち込むコマンドで操作する)シンプル極まりない形態で使うこともできます。デスクトップ環境なしにすることは、他のディストリビューションでも可能なのですが、これはゴテゴテ厚着をした人(性別は読んでる人のご想像にお任せします)の服を一枚一枚剥ぎ取っていってはじめて実現できるようなものです。対するDebianの方はというと、最初から裸になっているものが手に入る、というわけです。

デスクトップ環境が選べるので、以前の機種で紹介した「軽いデスクトップ環境」であるxfceが使えます。

インストールしてメニューを開いてみると、全部日本語化されています。これは使えそうだ、とこの段階では思ってしまいますね。

見た目「割と使えそう」な感じのDebian-xfceの初期画面

ところが、しばらく使うと中の人を含むシロウトは壁にぶち当たります。ちょっと機能を追加しようとすると、システム側から「待てやぁ」とストップがかけられるのです。それは主に、システムのセキュリティを厳重にするための機能によるものです。

ちょっとなにかしようとすると、こんな感じで説教を食らってしまいます。他のディストリビューションだと普通に許可されるのに…

もちろんこれらはすべて解除可能なのですが、自由自在に操作できるようになるためには、パソコンシステムにおけるセキュリティというものの根本理念の理解が必須なのです。場当たり的に「こんなんでいいんじゃない?」と操作してもシステムから「ふざけんなそんなん受け入れられるか!」と怒られてしまいます。

最小限の使い方をする場合とても便利なんですが、シロウトにはカスタマイズのハードルが高いと言わざるを得ません。で、コンテンツ製作機の環境を構築する場合でも、このハードルに引っかかるケースが数多くあるのです。

金と先端技術をつぎ込みまくったサザビーと戦うためのνガンダムを作るなら適してますが、そこらに粗大ごみとして転がっているパーツを寄せ集めてスコープドッグを作るのには残念ながら適していません。主に使い手の能力不足によって。

Debianはいい加減に使うことができない、真面目な秀才向けのシステムという印象なのですが、Xubuntuはもう少し緩い感じです。

結構「イチオシ」に近いXubuntu

Xubuntuは、多機能で使いやすいけど重いUbuntuというディストリビューションのデスクトップ環境を、軽量なxfceに変更したものです。UbuntuそのものもDebianからの派生なんですが、デスクトップからサーバーまでなんでもありのDebianに対し、デスクトップでの使用を前提にしてよりシロウトでも扱いやすくするようにチューンナップしたところから始まっています。

というわけで、インストールするとすぐ使える、メニューの日本語化もほぼ満足できるレベル、ということでいいことづくめなんですね。

問題は先に紹介したAntiXなどの爆速系と比べると処理がやや重いかな、というあたりです。しかしCore2以上のCPUを搭載しているのなら実用的な速度で動いてくれるので、よほど凄まじいガラクタを再生しようという場合でなければ問題ないでしょう。

これもおすすめ機種に入るので、後で環境構築の方法を説明します。

次回はQ4OSを紹介します。